テクノロジー · 解説
誰もが依存し、誰も保守していないソフトウェア
現代のウェブを支えるライブラリはボランティアが書き、一人の燃え尽きで修正が止まる。業界はこれを十年前から知っている。
現代のウェブを支えるライブラリはボランティアが書き、一人の燃え尽きで修正が止まる。業界はこれを十年前から知っている。
どこかの空き部屋にあるハードディスクの中に、一本の圧縮ライブラリがある。四千行、三十年もの。そしてそれは、あなたがいまこれを読んでいるブラウザの中でも、ポケットの中の電話でも、来月あなたが乗る航空機の中でも動いている。
保守しているのは一人だけだ。報酬はない。彼はこれまで何度も、誰か引き継いでくれないかと尋ねてきた。
共有された土台の経済学
このライブラリを使うすべての企業が、正しく計算した——資金を出すより、ただ依存するほうが安い、と。個々の判断はどれも合理的だ。その総和として、私たちはボランティアの夜の時間の上に文明を築いた。
悲劇は、誰も払わないことではない。全員が計算し、払うことが個別には不合理だと結論したことだ。
実際に壊れるもの
コードではない。コードは健全だ。だからこそ三十年もった。壊れるのは人のほうだ。見知らぬ相手からのパッチを十年レビューし続けた無報酬の保守者が、ある火曜日、ただ返事をしなくなる。
ライブラリはそれでも動き続ける。何年も動き続ける。そしてある日、脆弱性が見つかる。鍵を持つ者は、もう誰もいない。
数字で見る
保守者 1 名
推定 31 億台の機器に組み込まれたライブラリに対して。
資金 0 円
これを出荷している大企業 12 社からの支援額。
11 年
他の誰かが 1 行でもレビューした最後の日から。