文化 · 返還
美術館が、持ち出すべきでなかったものを返した
返還までに十一年、四つの政権、そして夜通し働いた一人の頑固な文書管理者が必要だった。
返還までに十一年、四つの政権、そして夜通し働いた一人の頑固な文書管理者が必要だった。
木箱が搬出口を出たのは朝六時。写真に撮られずに済ませたいとき、美術館が選ぶ時刻である。
中身は九百点。1897 年に目録を作った人物は、その取得の経緯を自らの手で「奪った」と記していた。
十一年
返還請求は 2015 年に提出され、却下された。再提出され、また却下された。取得台帳を見つけた文書管理者は、それを探していたわけではない。無関係な遺贈の日付を確認していて、六十年間棚を間違えられていた箱の中に、それはあった。
書類は失われてなどいなかった。ただ、誰も探さなかっただけだ。それは別のことであり、より悪いことだ。
戻るもの、戻らないもの
九百点が故郷へ帰る。残る四百点は来歴が本当に不明で、美術館は初めてその一覧を公開した——空白を埋めずに、空白として印をつけたまま。
これは決着ではない。百二十八年で最初の、正直な目録である。
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空白は埋めずに、空白のまま印をつけて公開しています。
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